ギタ−の材質

表面板

ドイツ松(スペイン語abeto alemán:英語german spruce)とカナダ杉(スcedro:英cedar)が主流だが、実際はこれ以外の松材の使用も多い。前者の方が良質と言う職人が多く、現にコストも高いのだが、ベルナベやフレタなどカナダ杉を使う世界的名工もいる。一概には言えない。

側面板&裏板

“このギタ−は何の木のギタ−か”と言う時にはこの側面板:裏板に使用されている木材を指します。例えば表面板がドイツ松、側面板:裏板がハカランダ材であれば、それはドイツ松のギタ−ではなく、ハカランダのギタ−だと言うことです。

使用木材

ハカランダ
(スペイン語palosanto de Río:英語brasilian rosewood)
おそらく世界で一番良く響くこの木はpalosanto(聖なる木)と呼ばれ様々な木製楽器に使われます。ブラジル・アマゾン河支流ハカランダ河流域に生息するためこう呼ばれますが、伐採し過ぎのため現在国際協定で輸出入全面禁止となっています。近い将来この木のギタ−の欠如は必至。クラシックギタ−、フラメンコギタ−に使用。
ロ−ズウッド
(通称ロ−ズ:スペイン語palosanto de India:英語indian rosewood)
同じくpalosantoですが、こちらはインド産。つまり、インド産ロ−ズウッドがロ−ズ、ブラジル産ロ−ズウッドがハカランダです。木目も音色も少し違います。音量音質実力を比較すれば10:9.5(ハ:ロ)位でしょうか。クラシックギタ−、フラメンコギタ−に使用。
糸杉(シプレス)
(スペイン語cipres:英語cypress:ドイツ松spruceと発音を混同しがち)
ハカランダやロ−ズが大砲とすれば、ヨ−ロッパ、中近東に多いこの糸杉はマシンガンに例えられます。カラッとした芯のある太い音でフラメンコギタ−の定番木材です。
かえで
(スペイン語arce:英語maple)
バイオリン、チェロの本体の木材。何故ギタ−に使われないのか不思議な位です
くるみ
(スペイン語nogal:英語walnut)
合板が存在しなかった頃のスペインの大衆ギタ−はくるみ製が主流でした。20世紀最高のクラシックギタリスト、スペインのアンドレス・セゴビアは修行時代ギタ−がなくてグラナダのサクロモンテのジプシ−に借りたくるみギタ−で練習していたそうです(古参製作家の話し)。くるみギタ−はスペイン独特のギタ−です。しかも、安い合板の台頭で使われなくなっている現在、スペイン国内でさえ希少価値のあるギタ−なのです。
サペリ
(スペイン語sapelly:英語sapele)
両方共合板の定番
ブビンガ
(スbubinga:英bubinga?)
その他一昔前はマホガニ、プラタナスなど何でもギタ−を作ったそうです。

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