ギタ−料金の相違と是非
@ 単板か合板か
例えばロ−ズ100%使用がロ−ズ単板ギタ−。これに対して安い中間材の両面に機械で薄くスライスしたロ−ズをシ−ルの如く張り付けたのがロ−ズ合板で、外見は完璧なロ−ズですが、実際ロ−ズは10%程度の見せかけだけ。これがロ−ズ合板ギタ−。極端な安物に至っては表面板まで合板です。
スペインでも日本でも世界中どこでも安いギタ−は全て合板製です。日本製なら20万円以上がオ−ル単板ギタ−。それ以下のギタ−は部分的にせよ合板が使用されています。もちろん楽器屋さんは売るためにわざわざこんなことは言いません。
音量音質、そして料金にも違いがあるのは当然ですが、外見は何の差もありません。
見分け方は、合板であれば良く見ると表と裏の木目が違います。
A 量産品か手工品か
量産と言うとオ−トメ−ション化されて機械に材木を入れたらギタ−が出来る様な印象を与えますが、本来一人の職人さんがのこぎりで切る部品を何個もまとめて機械でやってしまうと言う意味の量産で、決して1日でギタ−が出来る訳ではありません。しかも、名工さん達も実は機械の使える個所はなるべく機械に頼っているのが現状です。こうして各部分の木材の準備を終えて組立て作業に入りますが、そこから先はいずれの場合も手で組立てて行きます。つまり、手作りでないギタ−などこの世に一本も存在しないのです。ただ、それを一人の製作家がこつこつやるか、2、30人の名もない職人さん達が分担作業でやるかの違いです。それでも完成までに一ヶ月かかります。
それなら結局量産品も手工品もブランドかそうでないかの違いだけで、実質的に大差はないではないかと言うことになってしまいそうですが、果たしてそうなのでしょうか。
B 原材料費などの違い
老舗の寿司屋の寿司がス−パ−の寿司パックの5倍するからと言って文句を言う人はいないでしょう。何年も修行を積んだ板前さんが朝早く自ら魚市場に赴いて見定めたネタで握った寿司に対して、片や安さが売りの言わば量産寿司。しかも、作者はパ−トのおばさん。
見た目と量は同じでもそこに至る過程、労力、経験、ネタ、味、値段、格の違いは歴然です。
ギタ−にも同じことが言えます。例えばヒノキでも節があるとないとでは料金が全然違う様に、極上の木材は当然名工の工房に、並みは量産工場に買い取られます。
名工の工房ではそれを更に最低10年寝かせてから始めてギタ−製作に使います。木には人間の毛穴と同じく気孔なるものがあり、年数が経つ程気孔内の樹液が乾燥して音の通り、質が良くなります。つまり、寝かせば寝かす程味とコクを増すワインの様なもので、こうなると経過年数にお金を払うと言ってもいいでしょう。量産工場では機械で乾燥させます。
C 塗装の違い
量産ギタ−はピストルでポリエステルを吹き付ける一日仕事。手工品はセラックニス手塗りで1ヶ月かかります。(ただし、今日名工の作品が総てセラックニス塗装とは限りません。)
前者はステレオのスピ−カ−にセ−タ−を、後者はワイシャツを被せると比喩出来ます。
ご紹介しているギタ−はポリエステルより音響に優れたポリウレタン、もしくはラッカーの薄塗り(ピストル吹き付け:1〜7日仕事)になっております。
また、ご希望の方には更にセラックニス手塗りでお届けします。
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